店長日記

画像: 防犯カメラ 保護者運用

防犯カメラ 保護者運用

2010年03月04日

■水死事故受け 基町地区25台
 

 広島市中区の基町地区で2日、警察庁の事業で新たに設置された防犯カメラ25台の運用が始まった。2008年8月、市立基町小1年の浅松桜さん(当時6)が近くの本川でおぼれて死亡した事故があり、保護者は子どもの安全を見守る役割に期待する。一方で生活圏の監視を心配する住民の声もあり、カメラを管理する保護者側は細かい規定を設け、慎重に運用する考えだ。(鬼原民幸)
 

 警察庁が全国15地区で進めるモデル事業の一つ。基町地区では、子どもの遊び場や通学路などが映るよう設置した。カメラやモニターは、基町小の保護者らでつくる民間グループが管理する。
 

 死亡した浅松さんは、川辺で遊んでいる際におぼれた。本川は潮の干満で流れが変わるため、流された方向がわからず捜索は難航。行方不明になってから遺体発見まで2日かかったことから、「カメラがあれば……」と悔やんだ学校関係者もいたという。
 

 基町小では事故後、保護者や教諭が毎日欠かさず水辺や通学路の見回りを続ける。ただ、学区全域の見回りには限界があり、川辺に下りた児童を見落とすこともあった。そんなとき、県警からモデル事業の話があり、住民らは参加を決意。浅松さんがおぼれた現場付近にも対岸から3台のカメラを向け、川辺に下りる子どもが映るようにした。
 

 暮らしの監視につながると心配する人に配慮し、カメラの運用規定には、公共空間の撮影にとどめることや、事件・事故のとき以外に映像を見ないことなどを明記。保護者グループが管理する鍵がなければ、基町小内にあるモニターも見ることができない仕組みになっている。
 

 基町小でこの日あった設置記念式典で、児童代表の檜垣(ひ・がき)由利奈さん(6年)は「(浅松)桜さんのような事故が起きないよう、カメラと力を合わせて安全な基町をつくりましょう」とあいさつ。保護者グループ代表の室田清さん(43)は「プライバシーに注意して運用する。カメラのある街づくりが、犯罪の抑止や子どもたちの安全意識向上につながれば」と話した。
 

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